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WalkingPlanet 爬虫類ラボ

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ヤワゲネズミの飼育方法

2025年12月5日

ヤワゲネズミ(African Soft-fur / ASF)は、アフリカ原産のネズミで、日本では「プチラット」とも呼ばれるやや大型のマウス系のげっ歯類です。成体で体重80〜120gほど、ゴールデンハムスターくらいのサイズになり、寿命はおよそ2年前後と言われています(note(ノート))。2003年以降はラッサ熱ウイルスの自然宿主であることから輸入が禁止されており、現在国内にいる個体はすべて国内繁殖ラインです(アメーバブログ(アメブロ))。ここでは「ペットとして大事に飼う」ことを前提に、基本的な飼育方法をまとめます。


1. 飼育ケージとレイアウト

ヤワゲネズミはマウスより一回り大きく、よく動き回るので、単独〜小さな群れなら60cmクラスの小動物ケージか20ガロン(約60cm水槽)相当以上が目安です(PreyDirect)。金網ケージの場合は、若い個体がすり抜けないように目の細かいものを選びます。プラスチックケースや水槽で飼う場合は、上部をしっかり金網フタで覆い、かじり破りの弱点がないかチェックしてください。 床材は紙系チップやアスペン(ポプラ)系の木製チップなど、粉塵の少ないタイプを厚め(5〜10cm)に敷くと、掘ったり潜ったりする行動欲求を満たせます(note(ノート))。松やスギの香りが強いチップは、呼吸器への影響が指摘されることもあるので避けた方が無難です。巣箱として小型の木製ハウスや紙製ハウスを複数入れ、ティッシュやキッチンペーパーを裂いて巣材として入れておくと、安心して巣作りをします。


2. 温度・湿度管理

原産地が熱帯寄りのため、寒さに弱い一方、日本の“冬の室内乾燥+冷え”が苦手です。飼育環境としては、おおよそ20〜27℃前後、湿度40〜60%程度を目安にします(note(ノート))。直射日光・エアコンの風・隙間風が当たらない場所にケージを置き、冬場はケージの一部の下にパネルヒーターを敷く、巣材を多めに入れるなどして保温します。 逆に夏場は日本特有の高温多湿になり過ぎると熱中症のリスクがあります。室温が28℃を超えてくるようならエアコンで調整し、ケージ内には温度計と湿度計を設置して、極端な変化がないかチェックしておきましょう。


3. 食事(高タンパク+穀物ベース)

ヤワゲネズミは、現地では穀物を荒らす害獣として知られ、種子・穀物を好みます(note(ノート))。一方で、マウスよりもタンパク質要求量が高いとされ、総摂取カロリーのうちタンパク質比率が22〜30%程度必要という報告もあります(note(ノート))。 実際の飼育では、以下のような組み合わせが扱いやすいです。

  • ベース:
    • ラット・マウス用の総合ペレット、または小動物用ブレンドフード
    • 小型〜中型インコ用のシードミックス(ヒエ・アワ・キビなど)(note(ノート))
  • 追加タンパク源:
    • 高品質ドッグフード少量
    • 乾燥ミルワーム・コオロギなどの昆虫
    • 茹で卵の白身、小さく刻んだ鶏胸肉などを時々
  • 野菜・果物:
    • ニンジン、葉物野菜、ブロッコリーなどを少量
    • 果物(りんご・ベリー類など)はおやつ程度(PreyDirect)

水分の多い野菜・甘い果物を主食にすると下痢や肥満の原因になるので、「ペレット+シード+タンパク質」が主で、野菜果物は補助と考えるとバランスが取りやすくなります。飲み水は給水ボトルで常に新鮮なものを用意し、毎日交換・洗浄してください。


4. 掃除と衛生

ヤワゲネズミ自体の体臭はラットより少ないと言われますが(アメーバブログ(アメブロ))、高温多湿環境では糞尿のにおいとアンモニアがこもりやすくなります。

  • 部分掃除:数日に1回、汚れた床材だけを取り除き、新しい床材を足す
  • 全面掃除:1〜2週間に1回、床材を全交換し、ケージと備品をぬるま湯または小動物用クリーナーで洗浄

一気にすべてを新品にすると自分のにおいが消えて不安がる個体もいるので、巣材の一部だけ古いものを残しておくと良いです。


5. 頭数構成と繁殖をどうするか

ヤワゲネズミは社会性が高く、群れで飼育した方が安心しやすいとされます(アメーバブログ(アメブロ))。ただし、オス・メスを同居させると高頻度で繁殖します。妊娠期間は約3週間、2〜3か月齢から繁殖に入るため、繁殖管理をしないとあっという間に頭数が増えます(BambooZoo)。 ペットとして頭数を増やしたくない場合は、

  • 同性グループ(メスだけ、または去勢オス)で飼う
  • どうしても混群にする場合は妊娠のサインが出た時点でオスを別ケージに移す

など、計画的に管理してください。連続繁殖はメスの体力を大きく消耗させるので、もし繁殖させるとしても、産後はオスを外し、十分な休養期間を取るのが望ましいとされています(アメーバブログ(アメブロ))。


6. 性格・慣らし方

性格は「好奇心旺盛だが、ややビビりで人より仲間優先」という印象で、マウスやラットよりも人馴れしにくいと言われます(note(ノート))。ただ、若い頃から毎日ゆっくり触れ合えば、手から餌を受け取ったり、肩に乗るくらいには慣れる個体もいます。 慣らす基本は以下の通りです。

  1. 最初の1週間ほどは、ケージ越しに話しかけるだけで、無理に触らない
  2. 落ち着いてきたら、長めのおやつを指でつまんで差し出し、「人の手=おいしいもの」のイメージを付ける
  3. 自分から近づいてきて手を嗅ぐようになったら、両手ですくい上げる形で短時間だけ抱き上げる

上から急につかむ・追い回すと、防御的に噛まれることがあります。特に子どもに触らせる場合は、大人が必ず付き添ってください。


7. 健康チェックと注意点

毎日の世話の中で、次のような点を観察すると体調の変化に気付きやすくなります。

  • 目や鼻の周りが汚れていないか
  • 呼吸が荒くないか、変な音がしないか
  • 被毛がつやつやしているか、脱毛・かさぶたがないか
  • 糞の形が極端に柔らかくなっていないか
  • 急に痩せた・動きが鈍くなった など

異常が続く場合は、エキゾチックアニマルを診られる動物病院に相談してください。ヤワゲネズミ自体がまだマイナーな種なので、事前に「ラットやハムスターを診ているか」「珍しいげっ歯類も受け入れているか」を電話で確認しておくと安心です。


まとめ

ヤワゲネズミは、ふわふわの被毛と独特の雰囲気を持つ、少しマニアックな小動物です。

  • ゆとりあるケージと暖かめの環境
  • 穀物+高タンパクなバランスの良い食事
  • 群れでの社会性と繁殖管理
  • 毎日の観察と少しずつのスキンシップ

このあたりを押さえておけば、ペットとしても十分に付き合っていけます。 もし「繁殖ラインを作りたい」「爬虫類用の餌としても考えている」など、もう少し踏み込んだ運用をする予定があれば、その前提で繁殖計画・頭数管理の話も整理できますので、そこも含めて相談してもらえれば掘り下げてお伝えします。

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